ジャンケットバンク完全に理解した

タイトルの完全に理解した、は強気なタイトルのほうがうけそうなので方便であるが単行本購入で通して読むことによりジャンプ+で読んでいた時よりも全体像が理解度が上がった(具体的に言うと単行本購入前は「この床が熱い~~~~~~」の人で単行本購入後は初期の獅子神敬一レベルに上昇した)と思うのでメモがてら初回だと理解できなかった部分について書いて行こうと思う。ちなみにジャンケットバンクを知らない、読んでいないという人はジャンプ+で無料で読めます、この情報は無料です。

 

アンハッピー・ホーリーグレイル

初見だとマジでわからね~となっていたがサウンドオブサイレンス、ジャックポットジニー、の流れで読むとかなり理解しやすいギャンブルだった。

ざっくりいうとアンハッピー・ホーリーグレイルサウンドオブサイレンスの逆パターンであり逆ジャックポットジニーである。

サウンドオブサイレンスではゲームの過程で生じるペナルティを全て自分で引き受けゲームの仕様を調査しその情報を独占することでに対し有利を取る、という同格以上のギャンブラーに対する真経津晨の基本戦術が初めて読者に開示されたギャンブルである。

またジャックポットジニーではルールそのものに悪意を仕込む胴元である銀行側の存在により、ジャンケットバンクのギャンブルはギャンブラーVSギャンブラーではなく、ギャンブラーVSギャンブラーVS銀行という構造で成り立っている、というこの漫画固有の価値観を読者に開示している。

アンハッピー・ホーリーグレイルはこの2つの逆パターンで構成されている。叶黎明は観測を重視するそのプレイスタイルにより真経津晨の基本戦術を成立させることを困難にし、また銀行側もジャックポットジニーのようにルールに裏がある、と思わせ実は何もない、一周回って勘ぐらない方がギャンブルに勝てる、という二重の罠を張っている。

ブルーテンパランス

テンパランスもまたジニーを踏まえた上で読むと理解しやすい。

テンパランスもジニーと同じようにルールの裏を読めずに勝ち続けることが敗北に繋がる、というものだがジニーの雛形春人と違い対戦相手の天堂弓彦が事前に裏ルールを把握していたためゲームとして成立している。もっとも天堂は”自分だけがルールの裏を把握している”と思い込みその思い込み故に戦略ミスを犯したのだが。

 

ジャンケットバンクのギャンブルの全体像

この様にジャンケットバンクのギャンブルは過去のそれと連続性がありその比較の上で成り立っている、と言えるだろう。個々のギャンブルだけを見て理解しようとするのではなくそこに至るまでの全てのギャンブルの総決算として捉えるべきなのだ。

またギャンブルの内容を理解するうえでいくつかのポイントを発見した。

まず御手洗の解説はブラフである。対戦中にゲーム内容を読者に向けて分かりやすく整理してくれるが御手洗の視点は(相対的に)一般人の視点であり、作中においてその予測は覆される前提で描かれている。

御手洗暉の考察はギャンブル内容を理解するやめのものではなく、ギャンブラーの怪物具合と対比するためのものであり、演出の一部として読むと理解しやすい。

シヴァリングファイアはどうなるのか?

弊ブログ*1の予想だとオークショニアとの対比、が重要になるのではないかと考えられる。

ライフ・イズ・オークショニアはゲーム外の政治の領域において勝敗が決した。シヴァリングファイアにおいてもオークショニアの逆パターンが描かれるのではないだろうか。つまり両プレイヤーがゲーム外の政治の領域を見据えたうえで試合が進行するのではないか?

また具体的な仕様が判明していない眞鍋瑚太郎の第三種閲覧権がどの様に機能するのか?といった表層的なギャンブル内容の外部にある事柄により勝敗が決するのではないかと予想している。

 

*1:初期のラオウ並みに一人称が安定していないという指摘があったので今度からこれで統一する